ビットコイン急騰でマウントゴックスが「破産」から「民事再生」になるかも

2014年に起こったマウントゴックス事件で被害を被った一部の債権者が、破産手続きを民事再生手続きに変更してほしいと東京地方裁判所に申し立てました。

ビットコインの価格が急騰している事から、マウントゴックス社から当時の被害金額を返して貰えるようになったはず、というのが申し立ての理由です。

マウントゴックス事件の経緯

マウントゴックス事件とは、2014年に当時最大手のビットコイン取引所だったマウントゴックス社が経営破綻した問題です。

簡単にその経緯を振り返ってみましょう。

ビットコインが引き出せなくなった

マウントゴックス社は東京のビットコイン取引所でした。

そのマウントゴックスで、不正アクセスによるビットコインの窃盗が発生し、わずか数日で約75万枚ものビットコインが消失しました。

マウントゴックス社のセキュリティーの甘さが最大の原因のようです。

更に顧客からの預かり金に対し、銀行残高が28億円も不足してしまうなど、不自然な資産の減少が問題視されました。

現在の多くの取引所ではセキュリティーは強化されていますが、取引所と不正アクセス者との戦いは現在も続いている課題です。

社長の逮捕

更に業務上横領の罪でマウントゴックスの最高責任者、マルク・カルプレス氏が起訴されました。

顧客から預かったビットコインを不正に着服した疑いです。

彼は無実を主張していますが内部関係者が抜き取った疑いは晴れず、2015年8月に逮捕、2016年7月に保釈されています。

民事再生が棄却され破産手続きに移行

マウントゴックスは2014年に民事再生手続きを申請しました。

その民事再生申請中に、古いウォレットから20万ビットコインが発見されましたが、それ以降はどこにビットコインが消えてしまったか謎のまま、民事再生申請は棄却されました。

結局負債総額が65億円を超えた事から、2014年4月23日から破産手続きを開始しました。

ちなみに、当時のマウントゴックス債権者の99%は外国人だったそうです。

これら一連の経緯から、当時の日本に「ビットコイン=危ない」という図式ができあがったのは間違いありません。

ビットコイン価格急騰で事情が一変

破産手続き中のマウントゴックスでしたが、2017年に入ってビットコイン価格が急騰し続けたことにより、事情が一変します。

想定外のビットコイン価格高騰

まず2017年5月にマウントゴックスが破綻した時と比較してビットコインの価値が5倍以上になり、そのことにより資産が負債を上回ってしまいます。

マウントゴックス社の資産は現金10億円と20万ビットコインでした。

2014年に破綻した当時のレートに換算すると約120億円でしたが、2017年5月時点で50倍の約600億円になりました。

破産管財人がその当時精査した負債総額が456億円だったため、全ての負債を返済しても100億円以上の資産がマウントゴックスに残るということです。

さらに続く価格高騰に債権者は?

その後もビットコインの価格高騰は止まらず、更に半年以上経つと、1BTC=200万円前後にまで膨れ上がりました。

マウントゴックス社は、約20万BTC保有しています。
4年前なら1BTC=数万円程度でしたが、それが2017年末は200万円前後にもなっています。

つまり数十億円の資産が、4年で数兆円になった計算になります!

その結果、負債よりも資産の方がはるかに高くなってしまったわけです。

裁判所も判断に迷う事態

このような事は前代未聞です。

企業が倒産したら債権者が一斉に取り立てにかかりますが、債権額の一部が返済できるかどうか、というのが普通です。

ところが今回は、満額返済される可能性すら出てきました。

既に破産手続きが進行中にも関わらず、マウントゴックス社の業績が好転したわけでもないのに民事再生に切り替わるかもしれないという奇妙な事態に、裁判所も債権者も困惑しているようです。

「破産」と「民事再生」の違い

ビットコインの債権者の一部は、民事再生にする事を望んでいます。
その理由は、「破産」よりも「民事再生」の方が自分たちの取り分が増えるからです。

仮に破産手続きが行われた場合、破綻当時のビットコインの時価で破産債権を100%配当されます。
その後の残高は株主に分配され、今回のケースではマルク・カルプレス氏に分配されることになります。

それでは不公平だと、債権者の一部が民事再生法の適用を申請したのです。
それが民事再生になったら、債権をビットコインで受け取ることができます。

そうなると、例えば1BTCを当時預けていたら、4~5万円のところが200万円になりますね!

でもそもそも約75万BTC消失していて、その債権者が全員ビットコインの支払いを要求しても、マウントゴックスには約20万BTCしかないので払えないですよね。

ではどうするか、ということで東京地裁も頭を悩ませているようです。

今後、どうなる?

ビットコインの価格が現在のまま推移するか、それ以上に上昇した場合、マウントゴックスが全ての債務を支払い終えたとしても、数千億円分もの資産が残ると試算されています。

その一部が、マウントゴックス事件で横領などの罪で逮捕されたマルク・カルプレス氏にも分配されることに釈然としない債権者も多いようです。

今後同様の事件が続発する可能性

今回の事件は、暗号通過に関して様々なトラブルが起こることを示唆しています。
例えば、民事再生に移行する前に、今度はビットコインの価格が暴落したらどうなるのでしょう?

会社ではなく個人レベルで似たような事件、例えばビットコインに全財産つぎ込んで自己破産し、その後ビットコインが急騰して借金が返済できるようになった場合は?などはどうなるんでしょうか。

まだまだ考えられないような事件も発生するかもしれないので、常に情報の仕入れと検証が必要ですね。

2018年最初のセミナーを開催!

2018年「ブロックチェーン元年」
暗号通貨市場で行動するべきか!?

Medicalchain・Selfkeyのミートアップ同時開催

申込・詳細は以下のボタンをクリック!